ツイッターなどでよく見かける「嘘松」。
なぜ嘘をついてまでツイートするのか、不思議に思いませんか?
・承認欲求・自己顕示欲を満たしたい?
・有名になりたい?
・もしかして、お金になる?
今回はそんな「嘘松」をしてしまう人の特徴やそこに至るまでの心理、目的についてわかりやすく説明していきます。
嫌われるのになぜ?嘘松しちゃう人の不思議な心理
そもそも人はどんな時嘘をつくか、なぜ嘘を嫌うのか
あなたは今までどんな時に嘘をつきましたか?
・ミスを隠したいとき
・約束を守れず自分を正当化したいとき(言い訳や口実)
・見栄を張りたいとき
・真実を伝えると相手が傷ついてしまうとき
大体の人はこんな理由ではないでしょうか。
いずれも自分を守るために嘘をついているときが多く、嘘をついた人の8割は後悔をしているという研究結果もあるようです。
また、嘘ということは必ず真実があるのは確かで、それが明るみになったとき人は嘘をついた人に対し嫌悪感を抱く。
そのため「嘘=悪」と捉えているひとが多いのではないでしょうか。
結果として嘘松に対してマイナスなイメージを持つことは上記のことからいうと、至極当然なことだと考えます。
嘘松の心理
嘘松ツイートの中には
・炎上して有名になりたい
・たくさんの人に注目されたい
・人を騙して笑いたい
「ちょっとした出来心」や「刺激が欲しかった」という一時の快楽のためにやっている人もいるでしょう。
しかし大半の嘘松ツイートは一時の快楽のためだけではありません。
多くの場合、「承認欲求」や「自己顕示欲」が人一倍強く、それを満たすために出来すぎたストーリーを発信してしまうことが多いでしょう。
そんなことで承認欲求が満たされるのかと不思議に思うかもしれませんが、意外と発信した瞬間は満たされます。
(実は筆者も何度か嘘松ツイートをしてしまった経験があります・・・)
たとえば、
「こうなったらいいのに」
「こんなこと実際起きたらおもしろいな」
「こう思うけど自分の考えは正しいよね?」
など、自分の身に起きてほしい出来事や自分の考えについて、まるで実際体験したような、あるいはその場面を第三者として見ていたように創作し、SNS上で発信をする。
それについて不特定多数から反応を受けることで、リアルの「自分」が実際に体験したり、考えが認められたような感覚になることで、承認欲求や自己顕示欲が満たされるのです。
SNS(とくにツイッターや2ちゃんなどの匿名掲示板)で嘘をつくことは、現実と違い明確な相手がいないため、あまり罪悪感を抱かないことが多い。
くわえてより多くの人に見てもらうことで現実と嘘が曖昧なものとなるため、そういった場所で嘘松ツイートが多く発生するのは仕方ないことともいえます。
ツイート例から見えてくる特徴と共通点
面白い系
こちらは皆さん一度は見たことあるのではないでしょうか
マックにいたら女子高生がたくさん入ってきてレジ前が混雑していた。1人がまとめて注文するとのことで「アイコ18」と、アイスコーヒー18個注文し席へ。その後ろにいた普段マックとかに来なさそうなお婆ちゃん、なにを思ったのか「トメコ74」と自己紹介をしていた。
スカッと系
カフェで臨月らしき大きなお腹の妊婦さんとパートナーらしき男性が隣にきて、「育休でさ、まぁ育児をやるにしてもほかの時間は何する?資格とるとか・・」と男性が言い出し、あちゃーと思っていたら即座に女性が「はっ?撤回して」と言い捨てていたのがかっこよかった。
憧れのシチュエーション系
友達の勤務先で1番美人のお姉さんが給湯室の冷蔵庫にいれていたあんみつを誰かに食べられてめっちゃ怒って「あんみつを勝手に食べた人は二人きりで大事なお話がありますので第8会議室にきてください」と社内放送したらなぜか無関係のおっさんが9人もきて当たり前ですが僕もいきました。
一流企業勤務で29歳独身のイケメン友達が少し前に要介護4の母親を亡くしたんだけど、四十九日が明けた途端に「結婚を視野に入れてほしい」と8人の女性に告白されたらしい。女ってこわい。
この例から見えてくる特徴は自分の主張や考え、または思いついたことを
「友達が体験したはなし」
「自分のいた場所で起こった出来事」
などを直接的でなく間接的に伝えているところではないでしょうか。
そうすることで、読んでいる人にとって身近な話題として興味を引いたり、「私もそう思ってる」という共感を得やすくなるのです。
・あくまで体験談なので難しく固い表現ではなく、気軽に多くの人に発信できる
・作り出した「第三者」に自分の考えや思いを「代弁」させることで、思った反応が来なくても傷つかない
いくつかの書き込みからみえる共通点はこのあたりではないでしょうか。
嘘松の目的、承認欲求や自己顕示欲は本当に満たされている?
単刀直入にいうと、100%は満たされていません!
が、それなりに満たされた気持ちにはなります。
というのも、明らかな嘘だ!嘘松!とヤジを飛ばされようと、世に発信した時点で6,7割の承認欲求や自己顕示欲については満たされているのです。
『自分の考えをより多くの人に知ってもらいたいそれを現実の場で声を大にして伝えるのは怖い』
『SNSでも自分の考えとしてストレートに発信するのは気が引ける』
『こんな自分にドラマのような出来事が起きたらいいのに』
そんな自信がないがゆえに封じ込めている思いを、誰かに届けて受け止めてもらうこと。
それが嘘松してしまう人にとって、1番の目的であり、創作発信を続けてしまう理由なのではないでしょうか。
SNSが普及し他人との比較が容易に出来てしまうここ近年、承認欲求や自己顕示欲を満たしたい人が以前に比べ多くなっています。
そんな人たちのひとつの逃げ場、発散の方法として嘘松はこれからも1つの文化として続いていくのではないでしょうか。
嘘松だとわかってもみんなが楽しめる、そんな平和なSNS社会になっていったらいいですね。