アニメアイコンのアカウントには嘘松を言う人が多いという意見もあります。
この記事では、アニメアイコンを使用するアカウントには本当に嘘松を言う人が多いのかを考察していきます。
アニメアイコンのアカウントによる嘘松?
5ch及びそれを取り上げた一部まとめサイトでは嘘松扱いされているこのツイートですが、嘘だと断定できる要素が全くありません。
Twitterでは、「鬼滅と同じ位の巻数で鬼滅と同じ位綺麗に完結した漫画」をおススメする人の方が多く、嘘松扱いする人は多くありません。
と様々な作品をおススメする人が多く、「嘘松である」と指摘する人はほとんどいません。
なかには、
と、おススメ漫画を知ることが出来て有益だったという主旨の反応まであり、Twitter上ではポジティブな反応が多いことがわかります。
ですが、5chの某スレッド(及びそれを取り上げた一部まとめサイト)では、この(嘘だと断定できる要素が無い)ツイートを嘘松だと決めつけている人が少なからずいます。
2022/05/12(木) 23:54:23.90ID:jpry/USa0
おそ松アイコン定期
https://eagle.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1652367244/?v=pc
2022/05/12(木) 23:54:38.79ID:YDrGubpAp
これは分かり易い嘘松
https://eagle.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1652367244/?v=pc
「嘘松」というインターネットミームが流行して以来、嘘か本当か判別できない話にまで、安易に「嘘松」だとレッテルを貼る人達がいますが、嘘か本当かを判別できない話はその真偽の判断を保留すればいいだけの話です。
安易にレッテルを貼って他者の言説を分類するのは楽な作業ですが、それでは相手の話を鵜呑みにしているのと変わりません。
真偽を判断する材料がないときは、その判断を保留することが重要であり、材料不足のまま軽々に判断を下すのはネット・リテラシーの向上に資するところがない態度です。
また、書いてあることを過度に深読みしないことも重要です。
上記に、「嘘だと断定できる要素が全くありません。」と書きましたが、これを「ということは、これは本当にあった話だと筆者は考えているのだな」と解釈してしまった人は要注意です。
「嘘だと断定できる要素がない」ことは「本当にあった話である」ということとイコールではありません。
嘘だと判断できる材料がないという程度の意味でしかなく、「本当にあった話である」ということにまで踏み込んでいないのです。
書いてあることに嘘だと判断できる材料があるか否かを慎重に見極めることがネット・リテラシーの向上には大切な要素です。
たしかに「嘘松」をいうアニメアイコンのアカウントもあるけども……
アニメ「おそ松さん」のキャラクターをアイコンに使っていたアカウントのツイートが「嘘松」というインターネットミームの由来であったという話がありますから、アニメアイコンを使用するアカウントが「嘘松」を言うこともたしかにあるでしょう。
しかし、TwitterなどのSNSでアニメアイコンを使用している人は多く、それらアニメアイコンを使用しているアカウントに特に「嘘松」が多いという統計は存在しません。
また、ネットセキュリティ企業カスペルスキーが日本を含む18ヵ国の男女を対象にして行った調査によると、「SNSで「いいね」を得られるのであれば、12%が「実際には行っていない場所に行ったふりをする/していないことをしたふりをする」と回答」したとのことです。(https://news.line.me/detail/linenews/e8765f302cd3)
つまり、所謂「嘘松」を言う人は、アニメアイコンの使用の有無に関わらず存在しているということであって、その中には、アニメアイコンを使用している人もいるという程度の話でしかありません。
ごく一部の事例を以て、ある属性を持つ人全体を判断することはできないので、「アニメアイコンのアカウントには嘘松を言う人が多い」という結論を出すことはできません。
「早まった一般化」に注意!
論理学における誤謬(意図的に行ってしまったならば詭弁)には「早まった一般化」と呼ばれるものがあります。
例えば、次のような例文がそれに該当します。
私は今までの人生で四人のドイツ人に出会ったが、彼ら四人ともウォッカが好きだった。よって全てのドイツ人はウォッカが好きに違いない。
(自作例文)
この例文では、たった四人のドイツ人を例にとって「全てのドイツ人」に「ウォッカが好き」という結論を当てはめようとしています。
しかし、全体に通用する一般的な結論を実際に出すためには、統計を取るなどの科学的な手法に拠るのがベストであり、たった四人がそうだったからといって、全体を推し量るのは無理があり過ぎます。(注1)
しかし、この論理的誤謬の罠にはよほど注意していないと簡単にハマってしまいます。
特に、全体を論じるためには統計が必要であるという意識を持っていない人は、体験したことをその属性全体に敷衍して適用しがちです。
何人、あるいは何十人かのアニメアイコンを使用しているアカウントが「嘘松」を言っていた・書いていたのを見たことがあるとしても、それはアニメアイコンを使用しているアカウントの極々一部でしかなく、アニメアイコンを使用しているアカウントの全体を合理的に推し量るには不足しているのです。
アニメアイコンを合法的に使用しているか否かという問題があるにせよ、「アニメアイコンを使用している人は嘘松を言いがちである」というのは単なる偏見であるとも言えます。
以上、アニメアイコンを使用するアカウントには本当に嘘松を言う人が多いのかについての考察でした。
注……ちなみに、ドイツで好まれるアルコール飲料はビール(一人あたり消費量は世界三位)が代表的ですが、近年では一人あたり消費量は減少傾向にある。