ラジオ番組ではリスナーから投稿されたメールが取り上げられることも多いです。
ですが、それらのメールが実際には放送作家やスタッフが創作したものであったという事例も確認されています。
この記事では、リスナーから投稿されたとされていたメールが実際には放送作家やスタッフの創作、つまり嘘松であった事例を紹介します。
ラジオ番組『俺達には土曜日しかない』での嘘松
2023年4月30日、ロックバンド氣志團のメインボーカルを担当する綾小路翔さんがパーソナリティを務めるTBSラジオのラジオ番組『俺達には土曜日しかない』において、番組スタッフがリスナーを装って投稿メールを創作していたことが判明しました。
2023年4月22日以前にも13件が番組スタッフがリスナーを装ってメールを創作していたことも調査によって確認できたとのことです。
綾小路翔さんご自身はメールの創作とは関係がなかったとのことなので、ファンの方には一安心といったところでしょう。
綾小路翔さんが真摯に謝罪したことについては、好意的な反応も複数ありました。
上記したように、綾小路翔さん自身はメールの創作については無関係ですが、パーソナリティとして番組を代表している以上は、不祥事について謝罪するのも仕方のないことなのでしょう。
昔からあったことだと指摘する声も
「ラジオ番組に寄せられるハガキやメールは放送作家などが創作したものなのは、昔からのことであって公然の秘密だと思っていた」という主旨の反応もSNS上では見受けられました。
ラジオ番組のパーソナリティにメールを送ってくるのはそのパーソナリティの熱狂的なファンばかりで、そういったファンの方々からのメールばかりでは番組を成り立たせるのが難しいために、放送作家やスタッフによるメールの創作が行われているという事情もあるそうです。
また、新人俳優が新人アイドルといった方々がラジオ番組のパーソナリティの場合、話を広げるトーク技術が不足しており、ラジオ番組でも扱いやすい内容のメールでなければいけないという事情もあり、そういった事情からも、メールの創作が行われているようです。
TBSの姿勢への疑問
綾小路翔さんの謝罪については真摯なものだったという反応がありましたが、その一方で、TBSラジオの謝罪の姿勢については、SNS上でも疑問視する声がありました。
実際に、この記事の筆者がPCから確認してみたところ、以下の手順を踏まないとTBSラジオによる『俺達には土曜日しかない』におけるメール創作問題へのお詫びは確認できませんでした。
TBSラジオの公式HPにアクセス
↓
右上の三本線をクリック
↓
開いたサイドメニューの下部の会社情報をクリック
↓
「2023.04.30 「俺達には土曜日しかない」に関するご報告とお詫び」という個所をクリック
pdf文書でのお詫びとなっており、google検索ではヒットしにくいようになっています。
番組公式サイトやTBSラジオ公式HPのトップページからのリンクではないので、たしかに、なかなか気付きにくい箇所にあると言えます。
問題だと認識しているならば、もっとわかりやすい位置にお詫びの文書を配置しても良さそうではあります。
他の番組での類似事例?
他のラジオ番組でも『俺達には土曜日しかない』におけるメール創作問題と類似したことが発生していたとのことです。
元グラビアアイドル・タレントの堀越のりさんがパーソナリティを務めていたラジオ番組ではリスナーからのハガキが来ておらず、その旨を堀越のりさんが番組スタッフに相談すると、その翌週には、悩みの内容は女の子のものなのに男の字で書かれていたハガキが来たとのことです。
番組スタッフがハガキを創作したことが示唆されており、『俺達には土曜日しかない』に似たことが起きていたことが伺えます。
微笑ましい事例も
また、ラジオ番組の人気パーソナリティといえば伊集院光さんを思い浮かべる方も多いと思われますが、その伊集院光さんの初期の番組では、『俺達には土曜日しかない』の問題とはまた違ったことが起きていたことを指摘する声もSNS上で確認できました。
伊集院光さんのお兄さんが番組にハガキを投稿してくれていたというエピソードです。
ただ、これは番組スタッフの自作自演ではなく、身内による応援であって微笑ましい話であると思います。
どうしてこういったことが起きるのか
昭和の時代ならば、ラジオ番組を盛り上げるために番組スタッフがハガキを創作して番組内で取り上げるという自作自演を行っても、大した話題になることはありませんでした。
しかし、現在は、SNSが発達し一般人でも自分自身の意見を発信することが容易な時代となっており、そのために自作自演や創作実話、嘘松といった実話を騙る作り話への意識というのは厳しくなっています。
しかし、マスメディアのなかには、そういった実話を騙る作り話が厳しく扱われてしまうという意識を持たないままに古いやり方でコンテンツを盛り上げようとする人たちも残っており、以前では問題にならなかったことでも問題視されるようになったSNS利用者と古いやり方を続けるマスメディア側との間に意識のズレが発生していると言えます。
こうしたズレがある限り、テレビ番組やラジオ番組における自作自演やヤラセは無くならないのかもしれませんね。
以上、リスナーから投稿されたとされていたメールが実際には放送作家やスタッフの創作、つまり嘘松であった事例を紹介しました。